ディプロムコースカリキュラム構成
第一学期から第三学期までを以下のようなテーマで進めます
1.個別に対応する---対象となる生徒に適した内容のレッスンを行うために
2.指導者自身が自らの身体を通して進歩・発展する
3.「美しさ」の重要性
4.筋肉の記憶作用
5.音楽を有効に利用する
1.個別に対応する---対象となる生徒に適した内容のレッスンを行うために
指導者は身体の関節の可動域、また、それらがどのように機能するのかを良く理解するようにします。
そしてそれぞれの身体をもって、完全にコントロールできるようにしなければなりません。
2.指導者自身が自らの身体を通して進歩・発展する
これは忍耐強く、長い道のりを歩んだ後に手に入れられるものにほかなりません。
「必ずできるようになるんだ」という強い意志を持ち、一つ一つ、根気よく、あきらめずに学び続けてください。
3.「美しさ」の重要性
誰の中にも必ず存在する魅力・美しさ、これを最大限に引き出し、活かせるようにしましょう。
4.筋肉の記憶作用
ごく小さな動きから大きな動きまで、筋肉の知覚を研ぎ澄ますようにします。
ただし、知識やテクニックのみにかたよらず、これが芸術性を持つものである、ということを常に忘れてはなりません。
5.音楽を有効に利用する
音楽の選択肢は無限にあり、どのような音楽でも利用することができます。
・古典から現代までのクラシック
・あらゆる国のインストルメンタル
・世界の民族音楽など…
いろいろな音楽を聴くことで、さらに新しい音楽への興味もわきます。
音楽をうまく選ぶことでリラックスするためのエクササイズにも、ダイナミックなエクササイズにもすることができます。
◎また、音楽のリズムをとることも非常に重要です。これも必要に応じて無限の選択肢があります。
授業の中では… 以下のテーマを取り上げながら進めます
ダンスの動きにおける身体機能の概要
・「バー・アスティエ教則本」をもとに…
-そのすべてのエクササイズをマスターする
-そのすべてのエクササイズの内容を覚える
-その理論を理解する(どのように展開させていくか・目的にあったエクササイズの豊富なバリエーション・解剖面、心理面の知識・年齢やキャリアに合わせた動きを的確に選べるか、など)
・身体の中心となる重心、バランスのとりかた
・骨盤の正しいポジションとその機動性
・床を押す(意識の持ち方)
・脊柱の機動性とその機能
・関節の回旋(下肢と上肢:アンドゥダン・アンドゥオール・パラレル)
・下肢を開く
・腕のポジションとその機動性
・プリエ
・脚で支えるとは
・ルチレ
・ロン・ド・ジャンブ
・脚を上げる
・様々なタイプのエクササイズをマスターする(激しい動き・緩やかな動きなど)
・身体の各部位の連動と分離
・呼吸(すべての動きの基となるもの)
・空間:その認識と作用
・音楽:その選択と利用
・教則本にある「基本クラスのための短い3つのプログラム、バージョンA・B・C」
をマスターする
・エクササイズに必要な動きのバリエーションを増やす
・年間を通してのレッスン内容を組む
・声かけを効果的に行う(レッスンは指導中の声かけと密接に関係があります。また、それは音楽の一部となります。)
・バー・アスティエの持つヒューマニティー(人間性)とフィロソフィー(観念)について
教育学
1.身体の各部位の図式が完全にイメージできること(解剖学の基本的知識)
また、理想的かつ能率的な運動性を身につけ、それを芸術の域まで高めること
2.空間を正確に認識し、最大限に利用する
-実際の空間と体内空間
-空間の方向を視覚化する(意識的に正確に、あるいは無意識に即興で)
-出発点⇔到着点
-遠ざかる⇔近づく
-目を閉じる⇔目をあける
-横切る・反対方向への対置
3.声かけ:専門用語を有効に利用する、また音楽との関連付け
4.音楽の選択:目的に合った音楽を選ぶことによって、エクササイズは一連の振り付けのようになります(それは以下のような効果に発展します。)
-様々なジャンルのダンスにおいて、それぞれの持つ特有のテクニックの進歩
-一人ひとりが持つ個人的な課題の達成
-もっとも根本にある重要なポイント、感受性・芸術性を持っての表現
-基礎的なレベルの音楽的知識、音感
5.呼吸(深呼吸):深く呼吸することによって、自分自身の内なる声を聞きます…
つまり自己の再認識を行い、感情を豊かにします
6.集中力を高め、実際に動きだす前に予測できるようになる
7.神経心理学や心理生理学の知識(幼児期・思春期・成年期、とそれぞれの年代に対する精神運動性を活用する。何らかの特異な点を生徒の中に発見した場合は専門機関の受診を勧めることもできる。)
個別に対応するエクササイズ
・記憶作用
・順序立てた展開を持つ理念をマスターする
・豊富なバリエーションを持つエクササイズの体得(緊張・弛緩)
・身体の各部位の融合と分離
・呼吸(すべての動きの基となる)
・空間:知覚と利用
・音楽:選択と利用
・限られた時間の中でメソッドの本質となる要素を伝える
・年間を通じての指導カリキュラムに十分な豊富なエクササイズのバリエーションを持つ
・(動作の根本を理解することで)技術的に、また、最終的には芸術的に発展するまでの効果をはっきりと示す
指導法
・実際にエクササイズの模範を示せる(緊張と弛緩、両面において)
・エクササイズに対する自覚を持たせる
・目標を明確に示し、それを達成するまで、決してあきらめず、手に入れるに至るまでの効果を与える
・正確にメソッドの内容を伝えることにより、レッスンのレベルを段階的に上げていく
・生徒のキャリアやレベルに応じて指導法の加減ができるようになる
・芸術性を高めるために、美的センスを持って表現ができるようになる
生徒と指導者へのアドバイス
・心地良くすべてのクラスは日常の不安から解き放たれる役割を持ちます。それは自分自身と向き合う時間となり、芸術的・哲学的な点で自身の感性を磨くことになります
・コンディションに注意を払う:ウォーミングアップを丁寧に行います(解剖的・生理学的な原理に基づくこと)、さらに季節や気候も考慮します
・肉体面だけでなく、ダンスは心理療法ともなりえます:つまり感情面に働きかけ、感情を豊かにします
資格取得(認定試験)
試験では以下のような点を評価しますので、その技量を示さなくてはなりません
1 .実技
・解剖学・生理学の原理に基づいているか
・十分なウォーミングアップを行っているか
・対象となる生徒のレベルや年齢に応じた内容か
・必要に応じて間違いを指摘できているか
・声かけを適度に活用できているか
2. 環境の把握
・場所・空間
・季節
・時間的制約:限られた時間内でメソッドの本質を押さえた実技を行えているか(例:教本の「短い3つのプログラム:バージョンA、B、C」のような)
また、様々なバリエーションに富んだ動きを活用しているか、それによって年間を通じてのバリエーション豊富なレッスン内容を用意できているか
・活気あふれる雰囲気の中でのレッスンであるか
3. 重要な二つの目的を定めているか
・実技と芸術性、双方を持ち合わせたレッスンであるか
4. ダンスのアンシェヌマン
・音楽と身体の関連を意識しているか
・生徒の芸術性を引き出すものとなっているか
5. 進歩のあるエクササイズであるか
・エクササイズの発展性があるか